モロッコの午後、ミントティーとクスクスとネコ執事
オリバーとの空想旅行記、今回は北アフリカの香り漂う国――モロッコへ。
スーク(市場)のにぎわいを抜け、小さな屋上のテラスに腰を下ろすと、 テーブルにはアツアツのクスクスと、甘く香るミントティー。
「ご主人様、クスクスはスプーンで優雅に召し上がるのがモロッコ流でございます」
そう言いながら、オリバーはミントティーをポット高く掲げて注ぐ。
その手元の美しさに、通りすがりの猫も思わず見とれる。
一口食べれば、ホクホクの野菜にスパイスがじんわり染み込み、 ミントティーでひと呼吸…「ああ…旅してる…」と心の声。
「食べ物には風景が似合いますね」
オリバーがそうつぶやいた夕暮れ、
モスクの尖塔越しに日が落ち、空はオレンジ色に染まっていきました。
今日のごちそう
- クスクス:北アフリカの代表的主食。粒状のパスタに、野菜とラム肉の煮込みをかけて。
- ミントティー:モロッコの“心のお茶”。緑茶にフレッシュミントとたっぷりのお砂糖を。
ちょこっと豆知識 ☕
モロッコではミントティーを「おもてなしのしるし」として大切にしています。 お茶を高くから注ぐのは、泡立ちと香りを引き立てるためなんですって。
旅のしめくくりに…
おなかも心もぽかぽかに。 「また別の国で、一皿の思い出を作りましょう」 オリバーとご主人様の空想グルメ旅は、まだまだ続きます――。
次回予告:パリの朝、クロワッサンと猫の哲学